医院名 |
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なかしま脳神経外科クリニック |
院長 |
中島 利彦 |
住所 |
〒502-0929 岐阜市則武東2丁目15-18 |
診療科目 |
脳神経外科 リハビリテーション科 脳神経内科 専門外来(頭痛外来、もの忘れ外来、禁煙外来) |
診療時間 |
9:00 - 12:00 16:00 - 19:00 休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日 |
電話番号 |
058-215-8668 |
クリニックを受診される患者さんには頭痛でお悩みの方が多くいらっしゃいます。
市販の頭痛薬で何とか痛みをおさえているのだけれども・・・という方が多数おられるのです。
このような患者さんの頭痛は、実は片頭痛であったということがしばしばあります。
典型的な片頭痛は、頭の右側あるいは左側がズキンズキンと脈打つように痛み、吐き気を伴いますが、必ずしも典型的な症状ではない片頭痛も少なくありません。
また、市販の頭痛薬で痛みがおさまることもありますが、頭痛薬ではおさまらないような強い痛みのこともしばしばあります。
市販の頭痛薬では楽にならないような片頭痛の患者さんに、片頭痛の特効薬であるトリプタン剤を内服していただくと「大変楽になりました」と喜ばれます。
トリプタン剤には内服薬の他に点鼻薬や注射がありますし、種類も5種類ほどありますので、患者さんの症状にあわせて処方する必要があります。
頭痛でお悩みの方は、神経内科や脳神経外科で相談されることをお勧めします。
日本人に多い頭痛は緊張型頭痛です。
筋緊張性頭痛などと言われていたこともありますが、肩こりや首のこりに伴っておきる頭痛です。
鎮痛剤が有効ですので市販の頭痛薬が比較的よく効きます。
TVのCMでもおなじみですから、イヴ、セデス、バファリン、ノーシン、ナロンエースなどといった商品名を御存じの方も少なくないはずです。
頭痛薬が痛みを和らげても、痛みの原因である肩こりや首のこりをなおしてくれるわけではありません。
ですから薬の効果があるうちに「こり」がなおればいいのですが、なおらなければまた頭痛がやってきます。
ついつい頭痛薬に頼ってしまいますが、「こり」をなおせば頭痛に悩まされることも少なくなります。
では「こり」を治すにはどうしたらよいのでしょうか?
肩こり、頚のこりの治療は大きく分けて3つの治療方法があります。
一つは自分で治す方法、だれか他の人に治してもらう方法、そして薬によって治す方法です。
自分で何とかしようという方法は、前回もお話しした「肩こり体操」です。
要は肩や頚部の運動を行うことによって筋肉の「こり」をほぐすことです。
本や雑誌にも紹介されていますが、最近ではパソコンの動画サイトにも紹介されています。
何といっても無料で、適度に体を動かすことで健康にも良いというメリットの多い方法ですが、忘れてはならないことは一日一回や2回体操をしたくらいでは筋肉はほぐれないことです。
いつでも、何度でも気軽にできる体操が一番良い体操です。
当院でも肩こり頚こり体操を患者さんに説明しますが、少しずつで良いので1日の内に何度も体操をするように!とお話しています。
だれかに治してもらう方法の代表はマッサージです。
あんま、針、灸、指圧などなど古来からある方法に加えて、低周波治療などの電気的な治療もあります。
低周波治療などは病院でも健康保険を使った治療ができる場合があります。
最後に薬による治療ですが、湿布などの張り薬や塗り薬はTVのCMでもおなじみですが、筋肉の緊張を和らげるような内服薬による治療もあります。
肩や頚のこりは自分では気づかない場合があります。
頭痛で悩んでいて実は頚のこりが原因だったという患者さんは大勢いらっしゃいます。
鎮痛剤で頭痛を散らしていないで一度脳神経外科や神経内科で相談してみてください。
生命に危険のある頭痛には注意が必要です。
生命に危険の及ぶ頭痛の代表は、くも膜下出血です。
ある日突然(何時何分に頭痛が始まったと言えるくらい)に頭痛が起きます。
多くの場合吐き気を伴ったり、吐いてしまったりします。
軽いくも膜下出血の時には意識を失うことはありませんので、病院に行かずに済ませてしまう患者さんが多いようです。
突然の頭痛でなくても、今までに経験したことのないような頭痛とおっしゃる方もあります。
頭痛は日がたつにつれて軽くなってきますので、普通に仕事をしておられることもしばしばです。
くも膜下出血は脳の血管にできた動脈瘤(どうみゃくりゅう)から出血するのですが、この病気の特徴は出血を繰り返すことです。
初回の出血が軽く済んでも、しばしば初回より2回目、3回目の方が重症の出血になります。
くも膜下出血のために意識を失って病院に搬送されてくる患者さんの中には、そういえば一週間前に頭が痛いと言っていましたなどと御家族が話をされることもよくあります。
意識を失っていない軽いくも膜下出血であれば、治療によって90%以上の方が社会復帰できますが、意識を失ってから病院に運び込まれると社会復帰が困難になったり、命を落としたりすることも少なくありません。
突然起きた頭痛やこれまでに経験したことのない頭痛にはご注意ください。
そのようなときには一刻も早く専門医を受診されることをお勧めします。