医院名 |
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なかしま脳神経外科クリニック |
院長 |
中島 利彦 |
住所 |
〒502-0929 岐阜市則武東2丁目15-18 |
診療科目 |
脳神経外科 リハビリテーション科 脳神経内科 専門外来(頭痛外来、もの忘れ外来、禁煙外来) |
診療時間 |
9:00 - 12:00 16:00 - 19:00 休診日:木曜午後・土曜午後・日曜・祝日 |
電話番号 |
058-215-8668 |
めまいは、頭痛と同じく多くの方が経験されたことのある症状でしょう。
フィギアスケートの選手の様にくるくる回ると、普通の人ならだれでも回った後になっても景色がぐるぐる回ってみえるはずです。
この感覚がめまいですが、医学的にめまいというともっと広く、体がふわふわして足が地につかないような感覚や、一瞬気が遠くなるような感覚など、多種多様な体の不安定感を意味します。
ぐるぐる回るようなめまいの感覚も、体が宙に浮いたようなめまいの感覚も、強いめまいを感じると自分がこの世からどこかへ行ってしますのではないか?
自分がどうかなってしまうのではないかという強い不安に襲われることが多いようですが、ほとんどの場合めまいは一時的なもので、命にかかわるような重大な病気の症状であることは必ずしも多くはありません。
しかしながら、めまいは時として重大な病気の症状であることもありますし、しばしばめまいに襲われても日常生活を快適にすごすことはできません。
めまいの原因は、脳、耳、脳と耳以外(たとえば首など)のどこかにあり、それぞれに特徴のある症状があります。
脳に原因のあるめまいは、体がふわふわ宙に浮いているような感じがしたり、ぐるぐる回る感じがあったりしますが、しばしばめまい以外に頭痛を伴っていたり、顔や手足のしびれを伴います。
めまい伴って頭痛がある場合は、脳出血や脳腫瘍があるのではないか心配です。
特に体の平衡感覚(バランス感覚)に重要な小脳とその周辺に病気がないかを調べる必要があります。
顔や手足のしびれを伴っている場合には、脳出血や脳腫瘍のほかに脳梗塞があるかどうかを調べなければなりません。
小脳の近くにある脳幹と呼ばれる部分は、顔の感覚を感じとる神経細胞や、体の感覚を伝える神経が走っており、直径が5mm程の小さな脳梗塞が起こっただけで、めまいとともに顔や体(右か左かどちらか半身)の温度や痛みを感じなくなってしびれてしまうこともあります。
もちろんめまい以外に症状がなくても脳に病気があることもあります。
動脈硬化で脳の血管が狭くなり小脳やその周辺の血液循環が悪くなると、ふわふわしたようなめまいが起こるようになります。
脳にめまいの原因があるかどうかは、患者さんの症状を詳しく聞いたり、診察したりすることである程度推測はできますが、正確に診断するためにはMRI検査が欠かせません。
MRI検査で脳や脳の血管を調べることで、脳に原因のあるめまいであればたいていは診断することができます。
耳の奥には内耳という、体の平衡(バランス)感覚にを感じとるための感覚器官があります。
内耳には頭の傾きを感じ取ったり、頭がどの方向に回転しているかを感じ取ったりする感覚神経があるのです。
内耳には音を聞きとる感覚神経もありますので、内耳の病気ではめまいと音の聞こえにくさが同時に起こってくることがあります。
めまいと音の聞こえにくさ(あるいは耳鳴り)が同時に起こってくる病気には、メニエル病と突発性難聴という病気があります。
メニエル病ではぐるぐる回る様なめまいを感じます。
突発性難聴では音の聞こえにくさが主な症状ですが、同時にめまいを感じることがあります。
音の聞こえにくさがないけれども、ぐるぐる回るめまいを感じる病気としては、発作性頭位めまいや前庭神経炎があります。
発作性頭位めまいは頭をある方向に動かした時にめまいを感じ、しばらくするとめまいがおさまってくるのが特徴です。
頭の回転を感じ取る、三半規管と呼ばれる内耳に原因があると考えられています。
前庭神経炎は、頭の傾きを感じ取る前庭と呼ばれる部分から情報を脳に伝える神経の炎症と考えられています。
これらは耳鼻科の病気ですので、治療は耳鼻科の先生におまかせすることになりますが、発作性頭位めまいや、前庭神経炎の患者さんは、脳神経外科(神経内科)でも治療を行っています。
脳や耳には原因のない、つまり脳や耳の病気ではないめまいもいろいろな原因がありますが、しばしば見られる病気は自律神経の働きが鈍いためにおこる調節障害という病気があります。
自律神経は、血圧や脈拍、体温などを調節して、人間の体をさまざまな環境に最適の状態に保つために、無意識のうちに働いています。
この神経が働くことで、人の脳には一定量の血液が流れるようになっています(耳の奥にある内耳には、脳の血管から枝分かれした血管が血液を送り込んでいます)。
自律神経がきちんと働かず、脳(内耳)に来る血液が少し少なくなると、ふわふわと宙に浮いたような感覚がおこります。
時にはぐるぐる回るような感覚のこともあるようですが、ふわっとする感じが多いようです。
脳に来る血液がもっと少なくなると意識を失って失神しますので、失神の一歩手前と考えていただくと良いかもしれません。
座っていて立ち上がった時にふわっとした。お辞儀をして頭を上げたらふわっとした。目が覚めて起き上がったらふわっとした。
このような感覚が一度だけなら気にならないかもしれませんが、日常生活の中で頻繁に起こるようになると、何か重大な病気ではないかと心配になります。
特に高血圧の治療のために、血圧を下げる薬を内服しておられる場合には良く起こる症状で、心配して病院を受診する人も少なくありません。
血圧を下げる薬には体の血管を広げる作用があり、脳に十分血液を送るために血管を縮めて血圧を上げようとする自律神経の働きをさまたげるために起こると考えられます。
頭の上げ下げをゆっくり行ったり、起き上がりや立ち上がりといった動作をゆっくり行ったりすれば、症状はかなり緩和されます。